SAITAMA アート GUIDE 100×α
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美術作品はなぜびっくりするほど値段が高いのでしょう?答えは簡単です。工業製品などと違って同じものをたくさん作れないからです。1点の作品を仕上げるために美術家が費やす情熱と時間と労力は相当なもので、それを金銭的な価値に置き換えればどうしても高額になります。そのため、かつて芸術は上流階級のものと考えられていました。 戦前までは日本にも富裕層がいて、美術家への支援は主にそうした人々によって行われていました。 その後戦後の経済成長が始まると、支援に恵まれない美術家たちは、作品制作のかたわら生活のために別の職業をするようになります。 しかし近年、経済低迷が長引き、作品制作をしながら生活をすることが難しくなってきています。これでは制作のためのエネルギーが維持できません。こうした中で私たちは、美術家に対してどんな支援の手が差し伸べられるでしょう。 美術家支援というのは決して作品を買うことだけではありません。 たとえば普通では気づきにくいことですが、作品を「作ったり」「展示したり」「保管したり」する場所の確保は、意外や大きな負担です。そんな美術家の声に応えて、空き家や倉庫をアトリエやギャラリーとして提供する人たちも増えています。また美術家が作品発表を続けるには、「案内状を作って発送」し「ホームページを更新」し、さらに「車で作品を運ぶ」など、展覧会の開催に伴うさまざまな仕事が出てきます。通常はこれらすべてを作家本人がやっているのですが、作業を手伝ってくれる人がいると美術家たちはその分、作品制作に専念できるようになります。 もちろんこうした協力を行うには、美術家との間にある程度の信頼関係が必要です。そしてそのためには、作品を理解することよりも、まずは美術家をひとりの人間として理解していることが重要になってきます。実は美術家にとって最大の心の支えとなるのは、そのようにいつも自分の活動を温かく見守ってくれる人がいることなのです。その手始めとして、まず身近な場所で彼らの作品を見ることから始めてみてはいかがでしょうか。あなたにもできる美術家支援Ⅱ©KOJI IIJIMA

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