SAITAMA アート GUIDE 100×α
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動を開花させているのが共通項だといえよう。一方でこれを総合的にバックアップしているのが、埼玉県立近代美術館を中心に展開されている「Saitama Art Platform」形成準備事業だろう。入間、川口、川越、浦和ではミュージアムをキーステーションとしてアート散歩や様々な街中アートを展開し、街の再発見から再創造を目指している。多くの機関をつなぎ、継続してやってきた成果が上がりつつある。 アートツーリズムが、これまでの観光旅行と大きく違う点は2つある。これまでは、名所旧跡や自然を見て楽しむことに重点が置かれていたとしたら、これからは、自ら五感を総動員して体験することが重視される。「鑑賞型」から「体験型」への変化である。これと関連するが、もう1つは「一過性のイベント」ではなく、繰り返しや滞在を重視した、「生活実感型」への変化である。 これは、アートそのものの変化とも呼応している。名品や名作を鑑賞することよりも、じっくりと創造拠点に滞在し、あるいは繰り返し訪れて、ともに地域創造を考える創造参画への変化である。どちらかというと文化遺産の保存に重点が置かれてきた文化施設から、創造機能が街中へはみ出してきている。この新しい動きを体験するのが、アートツーリズムである。そのためにも、既存文化施設には創造へのさらなる脱皮が求められている。加藤種男(かとうたねお)1948年兵庫県生まれ。埼玉県在住アサヒ・アートフェスティバル、すみだ川アートプロジェクト、アサヒ・アートスクエアなど、近年のアサヒビールの文化活動のすべてにかかわる。また、わが国の企業メセナ活動をリードし、「ニュー・コンパクト」などの政策提言を進めてきた。自治体などの文化施策・芸術祭のアドバイザーなども多数務め、アートNPO活動の推進にも積極的に取り組んでいる。■主な現職アサヒグループ芸術文化財団顧問、京都造形芸術大学客員教授、文化審議会政策部会委員、埼玉県芸術文化財団評議員など。※2008年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

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