埼玉のアートを楽しむ

新鋭作家展 第8回優秀者 上坂直、蓮沼昌宏 〈あ、これ、ウチのことです。〉

2019年07月09日 更新


ウチにはいろいろな意味があります。私のこと、家庭のこと、家という建物のこと、仲間たちのこと、地域のこと、国内のこと…ウチは「自分」のことであり「その周囲」のことでもあるのです。
でも、そもそもウチって本当はどんなもの?ウチって言えるのは一体どこまで?
本展は、2人のアーティストが集めた「ウチ」を見て、ときには直接参加いただきながら、ちょっと立ち止まって考えていただくものです。
建築を学んだ経験がある上坂直は、衣装ケースを部屋に見立ててウチを収納した「暮らしのミニチュア」を制作。積み上げていくことでタワーマンションが立ち並ぶ都市の風景をつくり出します。その中にはインテリアなど部屋の様子だけでなく動く住人の姿までを入れ込み、画一的な外見からは想像しきれない人間らしい暮らしを捉えます。
一方で蓮沼昌宏は、多文化共生に興味を持ち、近年注目を集めているUR芝園団地を取材。限られた範囲の中でこそ際立つ、家庭・個人の価値観や生活の様子を「物語」と捉えて、パラパラ漫画やアニメーションによって表現します。覗き込むように小さな作品を追っていくと、思わぬ人々・暮らしが自身の近くにも存在していることに気づかされるでしょう。
最初は「ウチと全然関係ないな」と思っていたモノゴトが、作品をじっくり見ていくうちに実は身近な問題を捉えていることに気づく、アートな発見。「あ、これ、もしかしてウチのことだ」に変化した瞬間、自分と周囲の関係をふりかえるキッカケを、きっとつかめるはずです。
公募で選ばれたアーティストが、地域への取材や公開制作・ワークショップなどを通して新作をつくる、新しい地域とアートの連携企画です。

上坂直(うえさか・なお)
1991年兵庫県生まれ、富山県育ち。2017年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程デザイン専攻(建築コース)修了。
〈六本木アートナイト2019「オープンコール・プロジェクト」〉に採択、〈おやべ現代造形展〉特別賞受賞(2019年)、〈Tokyo Midtown Art Award 2015〉準グランプリ受賞など、多くのコンペティションで評価を得ている。

蓮沼昌宏(はすぬま・まさひろ)
1981年東京都生まれ、千葉県育ち。2010年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程芸術学専攻(美術解剖学)修了。
「陸前高田アーティスト・イン・レジデンス」(2019年)、文化庁新進芸術家研修制度によりフランクフルト(ドイツ)に滞在(2016-17年)など多くのレジデンスを経験するほか、〈瀬戸内国際芸術祭〉(2019・2016年)など大規模な地域アートイベントに参加。

2019年7月13日(土)~8月25日(日)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで)

休館日:月曜日(ただし7月15日・8月12日は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)

観覧料:300円(会期中何度でも入場いただけるパスポート制)
高校生以下無料。65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方と付添1名は半額

主催:川口市教育委員会 企画・会場:川口市立アートギャラリー・アトリア

川口市立アートギャラリー・アトリア

埼玉県川口市並木元町1-76

アクセス:JR川口駅東口から徒歩約8分

イベントの詳細は別途ホームページhttp://www.atlia.jp/、facebook、隔月刊フリーペーパー「アトリアニュース」等をご参照ください。

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